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中国
東北部「カン」のある住まい
■「カン」のある家の内観と外観
○「カン」のある住まいの特徴
広大な中国は地域によって気候もさまざまですが、東北部の冬の寒さは格別です。この寒さ対策として、かまどの廃熱を寝台の下に通して寝台全体を暖める「カン」が使われてきました。近年、多くの中国映画が日本でも紹介されており、それらを通じて中国の伝統的な住まいの様子にふれる機会も増えてきています。客人を部屋に招いた際、寝台に腰掛けて話すシーンなどをご覧になったことはありませんか。あれが「カン」です。「カン」はベッドの役目を果たすだけでなく、食事や接客の場などとして幅広く使われています。

■オンドル用かまど
○トピックス
かまどの熱を利用して寝台を暖めるのが「カン」。これとよく似た工夫がなされているのが韓国の「温突:オンドル」です。「カン」が寝台の下のみに廃熱を通しているのに対し、「オンドル」の場合は、床下全体に廃熱を通し床暖房にしています。


河南省 洛陽土中にうがった横長住居「ヤオトン」


○「ヤオトン」の特徴
洛陽の郊外、黄土高原には縦穴を掘った土中に横穴をうがった住居「ヤオトン」があります。周囲には、最近築かれたと思われるレンガ造りなどの農家があり、そのそばに10m四方程度、深さ7mほどの穴が垂直に掘られています。そしてその壁面に、住居用の横穴がいくつかうがたれているのです。1つの横穴は幅と高さが約3m、内部は15平米ほどの広さです。夏はひんやりと涼しく、冬はわずかの暖房で十分な暖かさを確保できるそうです。


福建省 環形の「土楼住宅」


○「土楼住居」の特徴
「土楼住居」の多くは、真上から見ると円や楕円形。その内側は、中庭を中心とした3〜4階建ての集合住居になっています。縦に重なった1ブロックを1家族単位で使用し、1階を台所、2〜3階を居室などとして使っているそうです。

○どうしてこんな形、スタイルに?
この形は、漢民族が他部族から身を守るために生まれました。そのため、立地的にも険しい山地が選ばれ、入口は一ヶ所、外から見るとほんの小さな窓がいくつかあるだけです。U型やコの字型の「土楼住居」も建てられているそうです。


新彊ウイグル自治区 地下水道カレーズを活用した家

■屋上にはぶどうの乾燥庫が
○カレーズを活用した家の特徴
中国西北部の新彊ウイグル自治区・トルファン付近は、シルクロードの要衝として栄えていました。その当時から乾燥が激しいこの砂漠の地で暮らしていた遊牧民族のウイグル人が、地下水道カレーズを活用してこの地に定住しています。カレーズとは、山の雪解け水を地下を通して町まで引き込む仕組みです。水路の長さは3〜4kmで、長いものでは20kmにもおよぶそうです。砂漠地帯で地下を通っていた水路が、町に入ると用水路になり、各家はこの水路に沿って建てられています。

■寝室には暖房寝台「カン」が設置されている
○トピックス
水が貴重な砂漠地帯で生きるために、カレーズはなくてはならないものです。そのため、ウイグルの人々はカレーズの補修や清掃など維持管理を自分たちでしっかりと行っています。カレーズの水は生活水と畑の灌漑水に用いられ、この豊かな水が作物や庭木、人々の生活を潤しているのです。

[写真・資料提供:日本工業大学 建築学科教授・伊藤庸一]

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